6本の映画で理解する「大統領(候補)暗殺」(映画評論家・北島純)

公開日: 更新日:

 暗殺者の動機はなにか。憤怒か大義か。この点で1979年に起きた朴正煕大統領暗殺を描いた「KCIA 南山の部長たち」(ウ・ミンホ監督、2020年)は見逃せない。軍事独裁政権を支えた側近中の側近である韓国中央情報部(KCIA)部長がなぜ朴大統領を射殺したのか。積もり積もった憤怒の心情をイ・ビョンホンが丁寧に演じている。

■ニコール・キッドマンが熱演「ザ・インタープリター」

 これに対して国連ビルを舞台としたアフリカ某国大統領の暗殺計画を描いた「ザ・インタープリター」(シドニー・ポラック監督、05年)も必見だ。国連通訳として働くニコール・キッドマンの人生を懸けた大義が暗殺と交差する経緯は衝撃的でもある。

 政治家の暗殺はデモクラシーを直接に脅かす。模倣犯の発生防止に留意しつつも、事実の解明は再発防止に欠かせない。犯人クルックスの動機も含めて、暗殺未遂事件の全容解明はこれから進んでいくが、その動向もトランプ陣営には格好の追い風になる。バイデンは後継候補にカマラ・ハリス副大統領(59)を指名した。バイデンよりも若く多様性の象徴でもある。しかし、ミシェル・オバマ元大統領夫人ならまだしも、カリスマ性と実績に乏しいハリスでは今のトランプに競り勝つのは厳しいだろう。「確トラ」(確実にトランプ)フラグは既にあがっている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…