志の輔に弟子入りも「人間同士だから、波長が合わないことがある。そういう場合は辞めてもらうよ」

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 東京農業大学の落研に入部した晴の輔は、落語を聴きまくった。

「中でも一番衝撃的だったのが、師匠、志の輔の落語でした。味わったことのない没入感で、この人の弟子になりたいと思いました。卒業するまでその決心が変わらなかったら弟子入り志願しようと」

 卒業後も変わらなかったので、志の輔の門をたたいた。

「1997年当時、師匠には弟子がいなかった。お会いした時に、『10人目だよ』と言われて、それまで9人が弟子入りしてやめていたのがわかったんです。師匠がおっしゃるには、『人間同士だから、波長が合わないことがある。そういう場合はやめてもらうよ』と。運転免許を持ってたので、その日に事務所の車のキーを渡され、運転を任されました」

 志の輔は前座時代、談志付きの運転手をしていた時期がある。

「当時の師匠の上をいかないといけないと思いました。幸い、学生時代に弁当の宅配のアルバイトをやってて、師匠のご自宅から仕事場までのエリアと宅配のエリアが重なっていたので、道に迷うことはなかったですね。初めて走る経路は、前夜に一度バイクで走って、確認してました」

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