浅野温子があまりに可愛くて…フジ「抱きしめたい!」では台本にない「クーパーポーズ」を
そこで、僕は心に期した。「後悔しないように自分のやりたいようにやろう」と。
「やりたいようにやろう」と思っても、ふつうは監督、演出がデーンと構えている。現場を仕切るのが彼らであって、俳優の自由は制限される。それでも、当時のフジテレビには「まずはやってみてよ」みたいな「寛容さ」があった。そこが自分とフジは感性が合うような気がした。だから、「自分がやりたいようにやってみよう」と心に誓ったのである。
それが試される場面がいきなり来た。
僕は二宮修治という名前の女性雑誌編集者という役回りだった。モデルの撮影現場で活躍する池内麻子(浅野温子)が何となく、気になっていて、食事に誘う。その帰り道のシーンだ。
「最近、なんか恋人とぎくしゃくしていて」と二宮はそれとなく、切り出す。そして、真顔になると「それは君のせいかもしれない」と告白する。
麻子は驚き、照れて、「なにそれ、人のせいにしないで。私帰る」と歩き出し、振り向きざま、「今度は私がおごるから」とほほ笑むシーンだ。