浅野温子があまりに可愛くて…フジ「抱きしめたい!」では台本にない「クーパーポーズ」を
1988年、フジテレビ系のドラマ「抱きしめたい!」の撮影が始まった。キャストは浅野ゆう子、浅野温子のダブル浅野。岩城滉一、本木雅弘らスターがズラリ。演出は当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった山田良明、河毛俊作の黄金コンビ。
今でも思い出すが、撮影現場は生き生きとしていた。俳優、プロデューサー、演出、脚本といったドラマ作りの“中核”だけではない。AD、スタイリスト、メーク、照明と全員の顔が輝いていた。それぞれが「時代をつくっているんだ」という自覚と興奮で高揚していた。つくづく、自分も参加できてよかったと思ったものだ。
■あとがない僕に神が与えてくれた最後のチャンス
このドラマに出られるようになったのは陣内孝則がTBSのドラマに回ったこと、代役で白羽の矢が立ったイケメン俳優、加藤雅也が断ってきたこと、2つの偶然が重なったことは前に書いた。僕はといえば、事務所の社長に「9月までに俳優として芽が出なければ引退する」と申し入れていた。あとがない僕に神が与えてくれた最後のチャンスのような気がした。