菅井きんさん 終始照れながら話す姿の奥に潜む底知れぬ“凄み”を感じた
大学職員という安定した職に就いても、役者の夢をあきらめきれず、お父さんに役者になりたいと告げると「女の役者は美人がなるもんだ」と相手にもしてもらえなかったけれども劇団に入団。父親の言うことは絶対という時代に頑として自分の意思を貫かれたメンタルの強さは計り知れません。この方のどこに時代にあらがうパワーがあったのか? 仕事を捨て、退路を断って役者の道を追い求めた執念のような思い、終始控えめで照れながら話される姿の奥に潜む底知れぬ“凄み”を感じました。
勝手な推測ですが、菅井さんは役者であることに自分が生きている存在意義を見いだされていたから、どんな役でも存在感があったのではないでしょうか。
82歳で世界最高齢の主演女優にも認定されましたが、今も天国で多くの先人のみなさんと芸談に花を咲かせていらっしゃることでしょう。