石川さゆりさん 恩師の作詞家に尋ねた「天城越え」の背景
代表曲は言わずと知れた「津軽海峡・冬景色」「天城越え」。15歳で歌手デビュー、今年で45周年。6月には121枚目のシングル「春夏秋冬」をリリースした歌手の石川さゆりさん(59)。恩人は「肉親のようだった」と語る作詞家の吉岡治さん(享年76)だ。
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おかげといえば、あちらにもこちらにもおかげさまだらけです。45年の長い間、歌わせていただくのは私ひとりの力ではとてもできなかったとしみじみ感じています。
そんな中でも100曲を超えて書いていただいたのが吉岡さんです。新曲やアルバムだけではなく、1999年から青山劇場で歌と芝居を融合させた“歌芝居”というステージの作品作りにもご一緒していただき、2007年に文化庁芸術祭大賞をいただきました。
最初はデビュー3年目の「ちいさな秘密」。当時はまだ10代、本格的に一緒にお仕事をするようになったのは27歳ごろからです。26歳で子供が生まれ、“新装開店”で、ディレクターの方が中心になり、作詞・作曲の先生方とチームになって新しい私のイメージをつくってくださいました。着物で歌うようになったのもこの時から。そして「波止場しぐれ」「大阪つばめ」「夫婦善哉」「滝の白糸」「天城越え」……ずっと吉岡さんが書いてくださいました。