映画で炭焼き職人に 稲垣吾郎はオッサン役で新境地開くか
「頭にタオルを巻いてミカンを食べる稲垣吾郎なんて見たことがない(苦笑い)」とは、本人の弁。元SMAPの稲垣吾郎(44)は30日、第31回東京国際映画祭出品作「半世界」の記者会見に出席し、主演作の役柄についてこう振り返った。
メガホンを取った阪本順治監督(60)いわく、「自分を前面に出さない」稲垣の姿が主人公にぴったりとマッチしたんだとか。生まれ育った地方都市でただ惰性で家業を継いだ炭焼き職人という役どころ。これまで冷淡な法医学者や猟奇的なマザコン夫などさまざまな役を演じてきたが、いずれも都会のコンクリートジャングルで生きる設定が多かっただけに炭焼き職人は新境地といえるだろう。
しかも妻(池脇千鶴)と一戦を交えようと思った矢先、自宅を訪ねてきた幼馴染み(渋川清彦)に向かって「これからセックスなんだよ!」と言い放つなど、アイドル時代には考えられなかったシーンにも挑んでいる。
「ミカンの皮むきひとつまで細かく演技指導を受けながら作り込んだ」と言うだけあって、スクリーンに映る稲垣は思春期真っ盛りの中学生の息子に手を焼く情けないオヤジそのもの。意外にもオッサンが板についており、試写会を見た映画関係者の評判は上々。