堀潤さん原風景 編集マンが煙をくゆらせながらOKを出す姿
堀 それで反対や対立の意見が出た時、僕は「面白い」と言うようにしているんです。
名越 なるほど。人は議論することに恐怖を感じやすいけれど、そのひと言が雰囲気を和ませる気がします。
堀 結論の出ないあいまいな部分も抱き締めてあげるような人間関係や社会へのアプローチが浸透するといいですよね。
名越 それには「場」が重要ですね。番組という場の中で、誰もが楽に意見を言えるような。
堀 ええ。これは家庭や会社でも同じで、どんな発言をしても存在を潰されないという安心感が大事です。
名越 堀さんはテレビの場のほかに2作目のドキュメンタリー映画も製作されていますね。
堀 いまは編集作業中で、気が付くと加熱式たばこを耳に挟んで作業してます(笑い)。
名越 おっ、昭和の香りがしてきた。
堀 ベテランの編集マンがポケットに手を突っ込んで、煙をくゆらせながら「OK」とゴーサインを出すのが格好良くて。新人時代の話なのですが、鮮明に覚えています。