ドン・ファンの墓に「早貴」と刻まれ…命日に遺族が嫌悪
他の弁護士にも訊いてみたが、田辺市の行為は「常識外れ」との回答が返ってきた。だが、田辺市の横暴はさらに続いていた。酒類販売業であったドン・ファンの会社「アプリコ」は廃止状態になっている。アプリコには酒を運搬するためにトラックなど7台の車があり、野崎幸助さん個人の所有になっていた。2年ほど前、それらの車は駐車場から姿を消し、田辺市は「市が保管している」と話していたのだ。
しかし今回のベンツ売却で気になったので、改めてアプリコの車の行方について田辺市に質した。すると、「何台かは処分して(お金に)変えています。遺族に対して報告する義務はないと思っています。ウチが権利を持っていますから」と、担当者はシレっと言う。ただ、ベンツやトラックなどの売却の詳細については、「裁判のことがあるので話せません」と説明を拒むのである。権利を主張しながら、その内容について裁判を持ち出し誤魔化すのは全くフェアではない。
しかも、だ。田辺市は遺産はもらうがドン・ファンを敬う姿勢は皆無である。この命日にも市側の墓参はなかった。
「昨年も今年も田辺市は命日に墓参しませんでした。幸助さんの遺産を貰うと主張するのであれば、人としての道があるでしょう」
義姉はこう憤ったが、行政の側とドンファンの間には、さらに別の深い関係もあった。(つづく)