<9>「紀州のドン・ファン」名付け親にメールで出した3択クイズ
30分ほど返事はなかったが、やっと携帯が振動してメールが届いたことを告げた。
「う~ん。1番ですかね」
「ブブ~。正解は3番でした」
そっけなく返信したら間髪入れずにSクンから電話が来た。
「本当ですか? 冗談でしょ」
「いや~、今朝がた連絡があってさ。今田辺に向かっている電車の中だよ。死因はまだ分からないけれど」
「エ~ッ」
絶句している彼の顔が浮かんだ。
「もしかして殺人事件だったりして」
私が冗談めかして言った。
「そんなワケないでしょ」
「いやいや、分からんよ」
冗談で私が口にしたのが、それが現実になっていった。 =つづく