大腿骨頭壊死リスク4.4倍 毎日お酒を飲む人は歩けなくなる!?
毎日お酒を飲んでいる人は、将来歩けなくなるかもしれない。
「ビール大瓶1本相当のアルコールを16年間摂取し続けた人は、大腿骨頭の骨細胞が壊死(えし)して骨折を起こし、歩行困難になる『大腿骨頭壊死』の発症リスクが、休肝日を設けている人より4.4倍高くなるのです」
こう言う日産厚生会玉川病院股関節センター・松原正明センター長に、大腿骨頭壊死について話を聞いた。
ビール大瓶1本相当のアルコールは、水割りなら1杯、日本酒なら1合、焼酎なら120C.C.だ。
「大腿骨頭壊死は難病指定されていて、原因がはっきり分かっていません。しかし有力な説として、長期間のアルコール摂取で肝臓の機能に何らかの変化が生じたため、脂質代謝など本来の役割を通常通りに果たせなくなり、大腿骨頚部の動脈に血栓ができるのではないかと考えられています」
血栓によってその先に血液が流れなくなり、骨細胞が壊死すると、壊死した部分と、生きている骨の境目にヒビが入り、骨折に至る。これが、大腿骨頭壊死だ。30~50代の働き盛りに多い。