課題は“誤診”と医師選び 「慢性胃炎治療」の意外な落とし穴

公開日: 更新日:

「ABC検診では、ピロリ菌がいない人をA群、ピロリ菌に感染していて胃の萎縮が軽い人をB群、萎縮がひどい人をC群に分けます。さらに、過去にピロリ菌に感染していたものの、胃が荒れすぎたためピロリ菌が自然消滅した人はD群に分類しています。D群の人は〈もうピロリ菌を除菌する必要がない〉と判断されるのですが、D群の人を尿素呼気試験で調査した研究によると、実際には50%の人にピロリ菌が存在し、除菌が必要だったのです」(江田氏)

 加齢が進むと血液中のピロリ菌の抗体の値が自然に下がってきて、消えてしまう人がいるのが見落としの原因だという。検診で「ピロリ菌陰性」と診断されても、万全を期すには他の検査法でも調べたほうがいい。

「診てもらう医師にも気をつけてください。ひと昔前の医師は、慢性胃炎を〈年をとれば誰にでも起こるもので、放っておいても問題ない〉と誤って解釈していました。こうした古い考えにとらわれている医師も、残念ながら少なくないのです」(江田氏)

 慢性胃炎を治すなら、新しい知識を持った「日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染症認定医」に診てもらうべし。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」