スギ林のない都会で花粉症が多いのはなぜか

公開日: 更新日:

 池袋大谷クリニックの大谷義夫院長が教えてくれました。

「都市部と地方の間で花粉症(スギ花粉によるもの。以下同)の有病率に差はありません。都会であろうと地方であろうと、花粉の飛散量が多い地域は有病率が高いのです」

 花粉症の有病率は山梨の44.5%が全国1位。それに次ぐ35%以上の県は栃木、埼玉、岐阜、静岡、奈良、高知。

 九州は26%以下と軒並み低く、北海道と沖縄は数%。例外はありますが、おおむねスギの木が多い地域は花粉症の人が多いといえそう。

 では東京は? というと、32.1%と低くない数値。山林が少ないのにどうしてでしょう。

「アスファルトで固められた地面と大気汚染。都会ならではの2つの要因が指摘されています」

 アスファルトの上では、雨が降っても花粉が地面に吸収されず、堆積します。その花粉が何度も舞い上がるから、都心でも花粉の飛散量が多くなるのだとか。

 また、PM2.5などの大気汚染物質は花粉症の症状を悪化させるため、有病者数が多いといいます。

「しかし、同じく都会の大阪の有病率は25%と高くありません。一方、長野は山林が多いわりに25%と低い。花粉症の発症因子については、まだわからないことが多いのです」

 これらの謎が解明されれば、花粉症の画期的な治療法につながるかもしれません。

【連載】?に答えます

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」