【うつ病】持つべきは趣味の仲間と仕事先

公開日: 更新日:

 学生時代から登山を趣味にしていただけに、体力はある。体調の回復も早かった。

 数年間、解約していた新聞購読も再契約した。毎朝、ひげも剃るようになり、部屋に散らかし放題だった下着を洗濯機に入れ、掃除機も手に持つようになった。

■電話が外に出る勇気をくれた

 さらに、越川さんが「うつ病から解放された」と確信を得たのは、今年の春先にかかってきた一本の電話だったという。

 40代で人材派遣会社を起こしたとき、真っ先に顧客になってくれた企業があった。その当時の担当者からだった。

「ご無沙汰しております。また本社に戻ってきましたので、越川さんに相談したいことがあります。来週あたりお時間取れますか?」

 いつも霧がかかっているような重い頭の中に、その声がまるで霧を裂くようにスーッと入ってきたという。

 面会の約束をした翌週の月曜日、越川さんは10年ぶりに白いワイシャツを着てネクタイを締めた。小脇に新聞を抱え、軽い足取りで駅に向かった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末