大腸がん<4>「共済保険と高額療養費制度に助けられました」
■3年半の治療費総額は300万円前後
入院費や薬にかかった治療費総額は300万円前後(3割負担)だったが、当時の高額療養費制度で還付の手続きも行った。
「実はがん保険にも入っていました。でも不運というのでしょうか、がんの告知を受ける半年ほど前に満期が来ました。更新料が高かったため、どうしようかと他を検討中でがん保険には入っておりません。そのために高額の保障が受けられずに残念でしたが、それでも入っていた共済保険に助けられましたね」
また、ある程度の蓄えがあった。その預金を崩して病院代に充て、住まいも自宅だったために金銭的には助かったという。
治療から晴れて解放された2カ月後の7月、体調はまだ十分に回復していなかったが、気分転換とばかりに姉と一緒にフランス旅行に出かけた。
帰国してすぐ、年老いた両親のために自宅をバリアフリーに改築する。
ところが、「できることなら娘のがん治療を代わってあげたい」と、声を何度もつまらせていた心優しい父親は翌年1月に倒れてしまう。介護に心血を注いだが、12月に他界した。