熊本地震的中の村井俊治氏「南関東で震度5以上の可能性」
電磁理工学・早川正士氏「福島、宮城、岩手、青森が危ない」
数日から1週間単位の短期予知の分野で注目されているのが、ウェブサービス「予知するアンテナ」(㈱テンダ配信、月額500円)だ。予測する電通大名誉教授で、早川地震電磁気研究所代表の早川正士氏(電磁理工学)は、地震前兆としての電磁気現象を研究。全国に設置する観測点で前兆現象をとらえ、発生時期や地域、規模を予測する。2016年4月の熊本地震や11月の福島沖地震をピタリと的中させた。
現時点(2016年12月27日~17年1月3日)で警告する地域が福島、宮城、岩手、青森の4県。
「東北地方で揺れを感じる地震が起きそうです。特に東北太平洋側で電磁波の異常がみられます。陸域が震源となればM5.0程度、海域ならばM5.5程度になる可能性がある」
危険度は3段階の真ん中の「危険度中」(ほとんどの人が驚く揺れ)。根拠はこうだ。
「地震が近づくと、地圏(地下)、大気圏(地上)、電離圏(宇宙)に異常を来します。例えば、割り箸を徐々に折り曲げるとする。パキッと折れる状況を地震とすると、その前にプチプチと音を立ててヒビ割れする。この時の摩擦電気や圧電効果で電磁気現象が発生します。これが地震の1週間前に起きることが分かっているのです」
電磁波は地下数十~100キロの深さからでも伝播する。早川氏の研究グループは95年の阪神・淡路大震災のときに地下でのヒビ割れの影響による上層大気(電離層)が乱れていることを発見した。
「電波にはさまざまな種類(周波数)がある。16年からはこれまでの2~3種類から5種類まで電波計測を広げ、より複合的に観測しています」