専門家が警鐘「頻発する地震は相模トラフが影響の可能性」

公開日: 更新日:

立命館大環太平洋文明研究センター教授 高橋学氏(災害リスクマネジメント)

 首都圏直下には、北米プレート、その下にフィリピン海プレート、さらにその下に太平洋プレートが入り込んでいます。3つのプレートが交差した、世界で最も地震のリスクが高い場所です。

 最近、関東周辺で頻発している地震には2種類あります。1つは茨城県南部や西部で起きている地震です。東京湾から房総半島先端にかかる「相模トラフ」のところで北米プレートの下に沈み込むフィリピン海プレートが引き起こしています。震源の深さ50~60キロでつながっています。

 もう1つは、太平洋プレートが移動することで、北米プレートが歪み、割れている10キロ程度を震源とする地震です。これが茨城県北部や栃木県で起きています。いずれも内陸直下型地震です。フィリピン海プレートが相模トラフ付近で北米プレートを刺激すると立川断層をはじめとした地震の引き金になります。さらに相模トラフで北米プレートが跳ね上がることで、海溝型地震の心配があります。1923年の大正関東地震(関東大震災)と同じ原理です。相模トラフを刺激することは、立川断層をはじめとした内陸直下型の「南関東直下地震」や海溝型の「相模トラフ巨大地震」の引き金になる可能性もあります。

 先述の関東大震災で一番揺れが激しかったのは、横浜と房総半島の先端です。ただし、津波被害は別で東京の人も警戒しなくてはいけません。東京湾でプレートが跳ね上がれば、都内も大きな被害を受けます。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実

  2. 2

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  3. 3

    斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散

  4. 4

    シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    悠仁さまの処遇めぐり保護者間で高まる懸念…筑付高は東大推薦入試で公平性を担保できるのか

  3. 8

    異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

  4. 9

    誰かがタレ込んだ? 国民民主党・玉木代表と元グラドルの密会不倫報道を巡る「新たな陰謀説」浮上

  5. 10

    「資格確認書」利用で窓口負担増の“ペナルティー”を政府検討 露骨な格差に識者も怒り露わに会員限定記事

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇