著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

SAPIX、日能研…中学受験「学習塾」の栄枯盛衰

公開日: 更新日:

 日進を倒し、トップ中学受験塾に躍り出た四谷大塚だったが、興隆は長くは続かなかった。90年代後半になると、躍進目覚ましい日能研に、難関中学への受験実績で抜かれるのである。

「難関校合格者数は生徒獲得を大きく左右する。トップを陥落した結果、経営にも暗い影が差すようになる。バブル期に教室を増やしたことによる負担も大きく、身売り説が飛び交うようになるのです」(四谷大塚元スタッフ)

 結局、四谷大塚は06年、東進ハイスクールを運営するナガセに全株式を譲渡。傘下に入ることになった。

 一方、頂点に立った日能研も、長くその座にとどまることはなかった。次第に、難関校への合格者が減ってしまったのである。さまざまな層の生徒を入れて、マンモス化が進むにつれ、難関校を目指す受験者や保護者から敬遠されるようになっていく。間口が広がったぶん、成績上位者にとって充足感が乏しくなったせいだ。

■SAPIXはTAP進学教室の分裂で発足

 難関校受験に絞れば、近年、絶大な人気を誇っているのがSAPIX小学部。前出の日進、四谷大塚、日能研が1950年代に誕生したのに対し、SAPIXがスタートしたのは89年。家庭教師派遣業から学習塾に鞍替えしたTAP進学教室が分裂する形で発足した。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  2. 2

    柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  1. 6

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  2. 7

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    柔道ウルフ・アロンが“弟分”斉藤立を語る「仏リネール選手はタツルに持たれることを恐れていた」

  5. 10

    石川佳純の争奪戦からフジテレビが脱落情報!五輪キャスター起用でアドバンテージあるはずが…