焼肉の定番「タン塩にレモン」は当たり前? それは叙々苑1号店から始まった
◆タンが冷凍、輸入物が多かった時代の名残り
塩味を施した「タン塩」は、独特の食感でタンパクなので、舌に残ることもなく「さぁここから焼肉を食べるぞ」というスターターには、最適なラインナップと言えます。
ここで疑問が? タン塩には、当たり前のように付属されてくるレモンです。合うには合うけど、必ずしもレモンでなくても良いのでは? 皆さんも疑問に感じたことがあるはずです。これはタンが冷凍、輸入物が多く、薄切りで食べることが多かった時代の名残り。臭みを消してさっぱり食べたいというお客さんのリクエストに応えて添えるようになりました。
ただ、最近食べる機会の多くなった和牛タンはサシが綺麗に入り、その脂も楽しめるようになっています。一番柔らかい「タン元」などは、あえて柑橘系の強いレモンをつけずに塩と胡椒だけで食べることをおススメします。うまく焼けた時には、タンパクな味わいにも脂で深みを感じることができ、余韻が楽しめます。個人的な好みは、山葵醤油ならぬ、少量の辛子を加えた辛子醤油。家庭でも簡単にできるので、是非、試してみてください。それでもあえて柑橘系を入れたい場合は、酸味の柔らかな国産のスダチをおススメします。レモンよりもまろやかなので、うま味の邪魔になることもありません。