(53)多機能空調家電のナゾ…機能ごとに適応床面積がバラバラなワケは?
多機能空調家電とは加湿機能付き空気清浄機のように、加湿器と空気清浄機など別々の空調家電を1つの家電に搭載した家電です。家が狭い日本では当然、人気が出るわけですが、この多機能家電には問題もあります。
今回は適応床面積の観点から取り上げましょう。適応床面積とは、どれくらいの範囲で効果があるかを示す、空調家電で最も重要な能力のひとつです。「20畳」と表記されていれば、メーカーは20畳までその機能が効果を発揮すると言っているわけです。
ところが、カタログをよく見ると、機能ごとに適応床面積がバラバラなのです。例えば、A(空気清浄機)、B(加湿器)、C(除湿機)を一体化するとします。Cをベースにした場合は、Cを最後にして、ABC(空気清浄 加湿・除湿機)もしくはBAC(加湿 空気清浄除湿機)と説明しています。
Cの適応床面積が20畳の場合、多くの家電は、その他の機能が力足らずです。A、Bの適応床面積は10畳程度、もしくはそれ以下だったりします。その機器の公称適応床面積はメイン機能であるCの意味であり、AやBの低い値は、誰かに聞かれた時だけ開示されることが多いのです。