ワンちゃんやネコちゃんの歯石除去、歯周ポケット治療は麻酔ナシでできる可能性が
麻酔が必要かどうかは事前に検査で調べます。その上でOKという判断だと思いますが、シニアのワンちゃんやネコちゃんの治療には、麻酔をしない方がベターだと思います。どうしても必要なら、なるべく短い方法を検討すべきでしょう。
当院では、麻酔が効いて痛みの管理ができる状態でも、自発呼吸を維持しながら手術するのを基本としています。麻酔が深すぎると、自発呼吸が抑制されるリスクがあるためです。
最新の麻酔器は非常に便利な支援機能がついていて、麻酔チューブにつけられた呼気センサーが一定時間呼吸を関知しないと、自動的に人工呼吸に切り替えることができます。そのまま人工呼吸を維持できるし、麻酔量の調節で再び自発呼吸に戻すこともできます。手術中の麻酔と呼吸の管理が細かくできてしまうのです。
麻酔下での手術があちこちで勧められるのは、こうした機械のレベルアップがかなり影響していると思います。機械のレベルアップは喜ばしいことですが、長時間の麻酔による悪影響は変わりません。
コミュニケーションが取れているワンちゃんやネコちゃんなら麻酔ナシで歯石を除去できます。歯周ポケットの治療も可能です。その可能性があることは、ぜひ飼い主さんは知っておいてほしいと思います。
(カーター動物病院・片岡重明院長)