イルカはなぜ人を襲うのか…福井県の海水浴場で被害相次ぐ、噛まれて20針のケガも
平和なビーチに突如出現する「ジョーズ」をほうふつとさせる……。
福井県美浜町の水晶浜海水浴場で14日、20代の男性会社員3人が遊泳中、イルカに襲われた。男性の1人は左手を噛まれ5針縫い、2人は噛まれたり体当たりされケガをした。
福井県でのイルカ事故の負傷者は今夏だけで16人に上り、被害が相次いでいる。今月3日には敦賀市の手の浦海水浴場の浅瀬で遊んでいた10歳の男子児童が、右手をイルカに噛まれ20針以上縫うケガをした。地元は対応に追われている。
「昨年から海水浴場でのイルカの目撃が増えました。イルカの嫌がる超音波を発する機械を設置したり、ポスターなどで注意喚起を行っています」(若狭美浜観光協会)
県内の被害は同一個体によるものと推定されている。フレンドリーなイメージが強いイルカがなぜ、次々に人を襲っているのか。越前松島水族館(福井県坂井市)の松原亮一館長はこう言う。
「イルカは人に執着して海水浴場に来ていると考えられます。過去に餌付けされたイルカがエサをもらえると思ったり、人とじゃれつきに来ているのでしょう。ただ、相手は野生動物です。エサをもらえなくて腹を立てたり、嫌なところを触られたりすると人に危害を加えます。繁殖期で気が立っている個体もあるし、性的欲求からペニスを人にぶつけてくるオスもいました。遊びのつもりで噛んでくることもありますが、彼らの思う遊びと我々の遊びは違うので、手加減ができません」