道具すべてレンタル、電車で移動…「ソロキャンプ 」という愉悦 ブームが落ち着いた今こそ
常陸牛カルビをビールで流し込むと…
準備を終えたところで焚き火だ。記者は2024年9月発行の本紙「防災特別号」で、サバイバル術のプロでタレントの清水国明さんから焚き火の極意を学習。ポイントは、針葉樹の枯れ葉で着火し、枝に火を移し、大きな薪を燃やす──。これに倣うと、すぐさま焚き火が完成。サバイバル術はだてではないと実感した。
完成した焚き火を眺めること30分。ボヤーッとたたずんでいると、気付けば日が傾きかけている。頭によぎったのは「風呂はどうしよう」「夕食の準備しなきゃ」である。キャンプとはかくも忙しいものなのかと痛感させられるのであった。
ともあれ、まずは風呂だ。幸い、レンタサイクルで10分ほど走ったところに温浴施設があった。そちらで天然温泉を堪能。さらに、サウナ8分、水風呂1分、休憩5分をこなし、バッチリと「ととのった」。
その後、キャンプ場に隣接するスーパーで買い出しだ。ドリンクはビールに缶チューハイ。つまみは常陸牛のカルビ、イギリス産の牛タン、熟成ソーセージを選択。消えてしまった焚き火を再度点火し、燃焼した木炭をBBQグリルに移動させる。カルビ、牛タンをグリルの網上に置くと、ジュワーッと音を立てて焼けていく。火が通ったところで肉を口に運び噛みしめると、口腔内に肉汁が充満。それをビールで流し込むと……、まさに“ミラクル”な味わいである。
たった一人で焚き火を囲み、いい感じに酔いが回ったところで就寝。テント内で寝袋にくるまると思った以上に暖かい。翌朝は若干の二日酔いながら、すっきりとした目覚めだった。ソロキャンプ初体験ながら、こんなに楽しいとは。また焚き火の前でたたずみたい……。