無人餃子店ブーム一服で閉店ラッシュ…失敗しても運営会社が痛くない懐事情
「当初は自社の土地や遊休資産を利用する飲食店が中心で、事業再構築補助金の利用スキームが浸透して以降、駐車場業者や不動産会社も参入するようになりました。加盟者の多くが法人とみられます」
事業再構築補助金は新市場進出や事業再編を行う中小企業向けの補助金制度。中小企業の場合、経費に占める補助率は2分の1から3分の2に及ぶ。無人餃子店の初期投資は低いもので300万円台だった。
そんな無人餃子店ブームもピークアウトしている。消費者に飽きられたことが主な要因だ。
「コロナ禍で中食需要が高まったため成長しました。冷食のジャンルでは元々、唐揚げと並んで餃子は人気。コンビニで買えるスイーツのような競合店も多くはない。フライパンで簡単に調理でき、外出できない家庭で特別感を演出できるメリットもありました。しかし今では、外食需要が回復し、“無人冷凍餃子”の需要が一服したんです」(飯島氏)
物価高で節約志向が強まる中、市販品に比べ割高である点も需要減に影響しているという。餃子への依存度を下げるためか、一緒に冷凍ラーメンやアイスを売る店も増えた。採算の取れる店と不採算店の選別が進んでいる。ブームは過ぎ去ったが、事業者への影響は意外と小さいという。