橋本聖子元五輪相「参院政倫審」で墓穴…「裏金」と「貸付金」ゴチャ混ぜのズサン会計

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会計責任者と議員の立場を使い分け

 21年には橋本氏の離党に伴い、政党支部も解散。膨れ上がった債務をいったん、橋本氏の資金管理団体「ジャパニーズドリーム」(JD)に移し替え、翌22年の復党に合わせて再設した政党支部に債務を増減なく戻している。還流分の記載について、橋本氏は「事務所内で適正に処理されていると思っていた」とシラばっくれたが、JDの代表者はもちろん、実は会計責任者まで橋本氏本人が務めている。

 つまり、自らの貸付金に紛れた裏金を処理した責任者なのである。1月19日に橋本氏は「会計責任者や税理士から『問題ない』と報告を受けていた」と報道陣に釈明していたが、まるで一人二役の自作自演だ。

 政倫審で裏金の保管先を問われると「事務所管理の口座に入金」「私の口座に入り、そのつど使用」と発言は変遷した。参院選の年に改選議員に全額還流するルールについて、自身が対象となった19年に「販売ノルマがなく還流資金が大きくなったことに驚いた秘書が報告に来た」と証言。その額はナント、1565万円だ。これだけの大金を手にした認識がありながら、「あの金はどうした?」と確認を怠ったというのも不自然である。

 怪しさ満点の弁明で、橋本氏は墓穴を掘ったとしか言いようがない。

「寄付行為には所得控除が適用されますが、貸し付けは認められません。誰が管理するにせよ、自身の口座に入れたのなら、課税所得となり得ます。適当な弁明で逃げ切れると思うこと自体が、浅はか過ぎます」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)

 15日は確定申告の最終日。全国商工団体連合会の試算によると、橋本氏の追徴税額は約767万円だ。耳をそろえて納めてもらうしかない。

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