あるぞ日銀の追加値上げ…「次のタイミング」は7月か? 悩める植田総裁の“胸の内”
日銀の政策変更後、円相場が一気に2円も円安方向に進んだのには、「次の利上げ」を求める市場の催促相場の意味合いもあるという。投機的な動きも絡む急激な円安に、21日は鈴木財務相も「高い緊張感を持って注視したい」と牽制していた。
日銀は物価高抑制のために、追加利上げで早めに動かざるを得なくなるのではないか。
「21日の国会での植田総裁の答弁でわかるように、日銀はインフレ対策が後手に回っているという意識をかなり持っていますよ」と言うのは経済評論家の斎藤満氏だ。さらにこう続ける。
「中央銀行は本来、インフレを未然に抑えなきゃいけない。学者の植田総裁はよくわかっていると思います。日銀は本音ではもっと早いタイミングで利上げしたかった。もっとも、植田総裁が『緩和的な金融環境を継続』と言ってしまったこともあり、次の利上げは緩やかなタイミングにならざるを得ない。四半期に1度なら許容範囲。次の利上げは7月と、日銀は考えているでしょう。順調に行けば、年内12月に、もう一度利上げして0.5%まで戻したいのではないか」
利上げでも円安基調を受け、東証は21日、4日につけた史上最高値を更新した。植田総裁には悩ましい日々が続く。