著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

「金」の歴史的高騰はまだまだ続く…中国筆頭に中央銀行が爆買いするワケ

公開日: 更新日:

 22年のウクライナ侵略に伴い米国やEUなどはロシアに対して経済制裁をかけた。ロシア中銀が保有する外貨建て在外資産を凍結するとともに、ロシアを国際的なドル決済網から締め出した。米中対立が深刻化する中、こうした西側の動きに中国が神経をとがらせるのは当たり前だろう。

 いざとなれば米国は基軸通貨ドルの覇権にものをいわせて中国に対しても同様の措置に踏み切るのではないか--。そんな危機感に駆られてのことだろう。人民銀が金の“爆買い”へとかじを切ったのはここから。一方で売りまくったのが米国債で、人民銀の外貨準備に占めるドル建て資産の割合は「すでに大幅に低下した」(メガバンク筋)とされている。

 米中双方のデカップリング拡大・加速は、軍事的衝突へと発展しかねない危険な芽をはらむ。

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