著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

ライバル登場で株価急落…エーザイの認知症治療薬を巡る「明と暗」

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 ただQOL(生活の質)にはいささか優劣が生じる。レカネマブが2週間に1回の投与を必要とするのに対し、ドナネマブは4週間に1回で済むからだ。その分通院などの手間が省ける。

■「ドナネマブ優勢」か

 ドナネマブの米国での薬価は3.2万ドル、レカネマブは2.65万ドル。日本での薬価は承認後決まるが、米国と同様「ドナネマブの方が高くなる見通し」(厚労省筋)だ。ただレカネマブは投与期間1年半後も継続投与が必要だが、ドナネマブは1年半後にアミロイドの除去が確認できれば原則、投与は終了する。医療保険財政全体の負担を考えれば「ドナネマブ優勢」との見方が成り立たなくもない。

 エーザイ株は急落した。もともと7月下旬に欧州医薬品庁(EMA)がレカネマブに否定的な見解を示したことで下落基調に転じていたところに、競合品登場のネガティブ情報が伝わったからたまらない。地合いの悪さも重なって足元の株価は年初来安値水準が続く。

 もっとも製薬業界関係者からは「ドナネマブによって認知症薬への認知度が高まり市場全体が底上げされるのも確か。エーザイにとってプラスに働く効果も少なくない」との声も上がる。

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