【熱中症死者1500人時代】それでもなぜ老人は夏場に厚着するのか「5つの仮説」を検証する
もはや35度以上の「猛暑日」ぐらいでは驚かない。40度に迫る「災害級の暑さ」が続いている。それでも「窓を開ければ涼しい」と平気で言う高齢者もいる。「年齢」と「体温調節機能」には関連性があり、10年前の自分とは違うことを自覚しよう。
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「災害級の暑さ」が流行語となったのは2018年。気象庁はコロナ禍でこそ当たり前になった「不要不急の外出を控える」ことを、この頃から呼びかけていた。18年の東京の「日最高気温」の平均は6月で26.6度、7月になると気温はぐんぐん上昇し32.7度を記録している。
ところが、今年はこれに輪をかけて酷い。6月で27.7度、7月は33.7度(9日時点)と18年の記録を上回っているのだ。
「今週末、関東の暑さはいったんおさまりますが、16日あたりから太平洋高気圧の高度が上昇します。このあたりが梅雨明けになり、そこから暑さがぶり返すでしょう。気象用語では『背の高い高気圧』と言ったりしますが、暑さとイコールの関係になります」(お天気キャスター・森田正光氏)
東京の「日最低気温」は平均25度超えが目前。熱帯夜が日常になり、夜でも気温が30度を下回らない「超熱帯夜」の日々も近づいている。
ところが、高齢者の中には「窓を開けると意外に涼しい」と言ってみたり、「扇風機を回せばぐっすり寝られる」と自慢のように話す人がいる。これにはネット上でも「暑いのがわかっていながらエアコンを使わないのは意味不明」「熱中症で搬送された分の医療費は最終的に若者の負担となる」と批判的な声が多く投稿されている。
■平均4.5万円救急搬送費用は若者の負担
実際に救急車の1出動当たりのコストは4万5000円とされ、決して安くはない金額だ。
「10年前とは暑さも酷くなっている上、自分の年齢も10歳年を重ねています。暑い時に“暑い”と感じるセンサーも古くなっていることを自覚することが大事でしょう。ヒトも年を取れば、体温調節機能が衰えていきます」(森田氏)
熱中症による死亡数は18年が1581人。22年も1477人と高い水準で推移しており、うち65歳以上の高齢者の割合は80%を超えている。
それでもなぜ老人は厚着をするのか?