著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

「ラブドール」のオリエント工業が事業終了…“生みの親”土屋日出夫代表の熱い思い

公開日: 更新日:

 ラブドールはソフトビニール製だけでなく、近年はシリコーンを使うことで、透明感のあるヒトの肌の再現を実現している。「まるで生きている女性そのもの」と内外で高く評価されており、そのリアリティーの高さからショールームへの搬入時に死体と間違われて、警察に踏み込まれたこともあるほどだ。

 購入は原則として通信販売だが、台東区上野のショールームでは、直接納品後に持ち帰ることも可能だ。不要になった際は、オリエント工業に郵送すれば「里帰り」として引き取り、人形供養もしてくれる。

 漫画家・イラストレーターのみうらじゅん氏もラブドールの愛好者で、10年ほど前に、リリー・フランキー氏とともにオリエント工業のショールームを訪ね、ラブドール「絵梨花さん」を購入、事務所の秘書として可愛がっている。

■「心の安らぎ」を得られる女性像の開発

 土屋氏は会社の理念について、「創業当時より目指していたのは、常にかたわらに寄り添って心を和ませてくれるような、『心の安らぎ』を得られる女性像の開発でした。大切なことは、性処理だけが目的の単なる『ダッチワイフ』ではなく、人と相対し関わり合いを持つことができる『ラブドール』を創ることでした。中には何らかの事情で性的な重荷をお持ちの方々に、精神的、肉体的な充実感を持っていただけるようお手伝いをさせていただく事もありました」と熱く語っていた。単なる風俗産業ではなく、社会的にも意義深い企業なだけに惜しまれる事業終了だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    小泉進次郎は「サラリーマンの敵」…解雇、労働時間の規制緩和ブチ上げで「企業の味方」ハッキリ

  2. 2

    “パリピ”小泉進次郎氏の資金源はほぼパーティー…3年で1.8億円、利益率9割近い荒稼ぎ

  3. 3

    朝日新聞「自民裏金」での新聞協会賞に「辞退せよ」殺到の理由…「しんぶん赤旗」社会部長もXで苦言

  4. 4

    河野太郎氏の「解雇規制緩和」強気発言にSNS《自民党議員からクビに》のド正論

  5. 5

    イトーヨーカドーは生き残れるのか…8年で800億円超の赤字、店舗数ついに100を切ることに

  1. 6

    やす子が奮闘「24時間テレビ」で福祉車両贈呈 日産自動車の女性副社長が“カリスマ経営者の妻”とは!

  2. 7

    「イトーヨーカ堂」が都内屈指の好立地店から立ち退きのナゼ…ライバル「イオン」が後継テナントに

  3. 8

    電気自動車が世界で失速…巨額投資に見合わぬ販売実績、ベンツやボルボが計画断念

  4. 9

    小泉進次郎氏が出馬会見で「日本が衰退」連発どの口が? 当事者意識ゼロ、中身もスカスカ

  5. 10

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  2. 2

    「負けた」はずの琴桜が「勝った」ウラ事情…疑惑の軍配が大炎上《翔猿がかわいそう》

  3. 3

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  4. 4

    広島先発投手陣に忍び寄る疲労の影…9月は防御率が大幅悪化

  5. 5

    小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?

  1. 6

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  2. 7

    SMAPファン歓喜!デビュー記念のラジオ番組で思い出す「SMAP×SMAP」“伝説の5人旅”と再結成の実現度

  3. 8

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  4. 9

    貴景勝は大関最短復帰が叶わずこのまま「引退」か…親方就任の準備はとっくに万端

  5. 10

    《柳田悠岐 #2》人並み以上のスピードとパワーを兼ね揃えていたがゆえの落とし穴