自民党総裁選と米大統領選で市場は波乱含み…兜町で囁かれる「株で稼ぎたいならこう動け」
誰になるかで相場が左右される──兜町は2つの選挙に夢中だ。自民党の総裁選と米国の大統領選。どちらも現時点での勝者は見えづらく、市場関係者は「ああでもない、こうでもない」と好き勝手に予想する。今年から新NISAをスタートさせた投資家にとっては他人事ではない。これから始めようと思っている人はスタート時期を探るのに役立つ。さてこの先、株価はどう動くか。
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■マーケット目線
兜町の本音はどんな感じか?
「あくまでマーケット目線では高市早苗経済安保相です。株高をもたらしたアベノミクスの継承者という印象が強い。アベノミクス再来で株価は爆上げ。そんな期待感が高まります」(市場関係者)
報道各社の世論調査によると、高市氏は石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相に次ぐ3番手あたり。とはいえ、両者との支持率はかなり差がある。
経済評論家の杉村富生氏はこう言う。
「高市氏は無理筋でしょう。投資家の期待がいくら高くても、期待で動いては痛い目に遭う。冷静な判断が必要です」
石破氏だったらどうか。
「反アベノミクスで知られるだけに、市場はノーを突きつけるかもしれません。石破氏だと、当選直後は場合によって大きく下げる危険性があります」(杉村富生氏)
小泉氏への期待は? 株式評論家の倉多慎之助氏はこう見る。
「ちょっと頼りない気がします。経済は得意でないようだし、市場に不安が漂います。環境大臣のときには環境問題に絡んだセクシー発言などに批判が起きたし、失言をしかねない。それが市場に悪影響を与える可能性があります」
現状では、どちらが新総裁に選ばれても“明るい株式市場”は見通せない。
■「もしハリ銘柄」が上昇中
低迷相場はしばらく継続しそうだが、だからといってジッとしていることはない。来たるべき上げ相場に向け、しっかり準備をしておくべきだ。
日経平均はこのところ3万7000円から3万9000円あたりをウロウロしている。そこから抜け出す材料が総裁選だ。
「国内のイベントが株価に影響を与えるのは珍しい。ここ数年は米国の動向ばかりを気にしていましたからね。ただ、日経平均が上へ向かうか、下降するかは微妙です。総裁選に加え、米大統領選が絡むからです。トランプ氏かハリス氏か。どちらが株式市場にプラスか。こちらも重要」(前出の市場関係者)
「もしトラ」から「ほぼトラ」「確トラ」の流れがあり、バイデン氏撤退後は「もしハリ」。予断を許さない戦いが展開されているが、株式市場では「もしハリ」の動きが出てきた。
ハリス氏の経済政策のひとつに「住宅促進策」がある。初めて住宅を購入する人に2万5000ドル(約365万円)を支給するなどの支援策だ。これに市場は反応した。米国の建設大手ばかりか、日本市場の住友林業や積水ハウス、大和ハウス工業など米国でもビジネス展開する住宅関連が株高傾向となっている。
■ハリス勝利→自民下野→株暴落
「ハリス氏が勝つという流れができているのかもしれません。ただ、それはそれで不気味な……」(証券アナリスト)
どういうことか。気になるジンクスを指摘するのは前出の杉村富生氏だ。
「1992年の大統領選で勝ったクリントン氏は、セオドア・ルーズベルト、ジョン・F・ケネディに次ぐ若さの46歳でした。翌年の93年に日本の自民党は下野。2008年はオバマ氏が勝ち、黒人初の大統領となりました。翌09年、自民党はやはり下野しています。どちらも株式市場はバブル崩壊やリーマン・ショックの影響で暴落に見舞われました。ハリス氏が勝ったら女性初の米大統領が誕生します。珍しい米大統領が誕生すると自民党は下野、そしてマーケットは混乱する。不気味さを拭いきれません」