自民党総裁選と米大統領選で市場は波乱含み…兜町で囁かれる「株で稼ぎたいならこう動け」

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日米とも波乱含みだけに…

 日米関係も考慮しなければならない。

「もしトランプ大統領となれば、渡り合えるのは誰か。そんな視点が必要です。43歳の進次郎氏で大丈夫なのか。まるで大人と子供。そうなると、石破氏や河野太郎デジタル相のほうがまだマシかもしれません」(倉多慎之助氏)

■年内に日経平均4万円を奪回?

 さまざまな思惑が入り交じる株式市場。投資家は翻弄されるばかりだが、そんな混乱相場を賢く乗り切る知恵は?

「株式市場は政治の混乱を嫌います。正直にいえば、先の見えない選挙が2つもあるし、手を出さないのが賢明といえます。ただ、少し長い目で見ると日経平均は上昇していくと思っていい。いまは次なる投資機会をじっくり待つ時期でしょう」(倉多慎之助氏)

 大手証券会社も株価上昇を見据えている。

 大和証券の日経平均見通しは、24年7~9月は3万8000円ながら、10~12月は4万円、25年1~3月は4万1000円、4~6月は4万2000円。順調に株価はアップしていきそうだ。

■10月相場は暴落を覚悟

 ただし、一本調子の上昇とはいきそうにない。

 自民党総裁選は今月27日(金)の午後1時に投票が始まる。決選投票になれば東京証券取引所の取引が終わる午後3時を回る可能性は高い。株式市場が次に開くのは週明け30日(月)だ。

「歓迎相場になるか、不満タラタラの暴落になるかは分かりません。ただ、誰が選ばれるにせよ、イベント通過で数日後に市場は落ち着くでしょう。注意しなくてはならないのは落ち着いた後です。11月の米大統領選に向け、株価の混乱は必至です」(前出の証券アナリスト)

 兜町に流れる有力な見方は「株価下落」だ。ただでさえ、10月は「魔の月」と呼ばれ暴落がついて回る。世界恐慌の発端となった1929年暗黒の木曜日、1987年のブラックマンデー、2008年リーマン・ショック後に付けた日経平均の最安値(6994円90銭)。すべて10月だ。

「日経平均は3万6000円、3万5000円ぐらいまで下落する恐れがあります。為替次第ですが、3万円の攻防もあり得るでしょう」(倉多慎之助氏)

 大手証券の10~12月の下値メドは3万3000円。下振れしたら、この水準を覚悟したほうがよさそうだ。

■「解散・総選挙」で株高は鉄板

 そのままズルズル下がるのか。

「米大統領選までは不安定な相場が続くでしょう。その後は、どちらが勝っても数日は落ち着かないでしょうが、すぐに相場は活気づいてきます。NYダウはいまも最高値の水準にあるし、4年に1度の大統領選という一大イベント通過で投資家心理は安定します」(倉多慎之助氏)

 日本株も2大選挙が終了し、市場は安堵。4万円奪回に向け動き出す。ただ、日経平均が約4400円も下落した8月5日大暴落の後遺症から簡単には抜け出せない。

あの大暴落から約65%戻しています。でも、ここからは時間がかかるかもしれません。4万円ですか? そうですねえ、早ければ年内でしょうが、年明けに持ち越す確率は高いと思っています。そうはいっても、8月の大暴落で金融システムが揺らいだわけではありません。企業業績も好調です。財務省が公表した4~6月の法人企業統計によると、日本企業は過去最大の35兆円を稼ぎました。1年間では100兆円を超える規模。株価が上昇する要因のひとつです」(杉村富生氏)

 自民党の新総裁への支持率が高まり、解散・総選挙に突入というシナリオも市場は歓迎する。

 何しろ、過去の解散・総選挙は例外なしの「株高」だからだ。

 株価の流れは総裁選後に「株安」。10月は低迷し、11月米大統領選後に反発。年明けの日経平均は4万円奪回が有力だ。10月に仕込んで年明けにいったん利益確定する。これが賢い投資術?

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