「資さんうどん」をすかいらーくHDが買収 “北九州のソウルフード”は全国展開から世界を目指す
現在ではうどんだけでなく、丼物やおでん、ぼた餅など100種類以上の豊富なメニューを揃え、北九州市内を中心におよそ70店舗を展開している。創業当初から愛され続けるぼた餅は年間に530万個以上売り上げるほどだ。
だが、2015年7月に創業者の大西氏が死去し、後継者問題などから福岡銀行の投資ファンド「福岡キャピタルパートナーズ」が株式を取得した後、2018年3月に投資ファンドのユニゾン・キャピタルに譲渡された。
「資さん」もコロナ禍で苦心した。足元の年商は120億円余りといわれるが、今冬には首都圏への出店も計画されており、「新規出店などでコストも膨らみ、年間億単位の利益計上には至っていない」(大手信用情報機関)とされる。今回の240億円というのは、「資さん」の成長性を高く評価された価格設定であり、株主のユニゾンにとっても売り時だったといえる。
■「世界の資さん」へ
すかいらーくHDは買収を機に、「資さんうどん」の全国、さらに世界展開を視野に入れている。「北九州の資さん」から「九州の資さん」へ、そして今後は「日本の資さん」「世界の資さん」を目標にするというわけだ。
北九州市民も「世界に羽ばたいても、懐かしい素朴な味を続けていって欲しい。資さんうどんは不滅っちゃ」とエールを送る。