「ホープ軒」は千駄ヶ谷で開店50年…牛久保英昭社長に聞く「私の根底にあるのは『お客さんはタクシー運転手』」
20歳からラーメン屋台を引き始め、東京・渋谷区千駄ケ谷の地に店を構えてから2025年に50年の節目を迎える。背脂こってりラーメンの“生みの親”と言われるのが、この人だ。半世紀にわたり千駄ケ谷でラーメンを作り続け、節目に何を思うのか。ざっくばらんに聞いた。
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JR千駄ケ谷駅から徒歩7分。1月13日に第103回高校サッカー選手権決勝が行われる新国立競技場の脇に立つ黄色いビルが「ホープ軒」だ。創業者の牛久保氏は25年2月に御年86歳を迎えるが、今なお現役で毎日休まず現場に立っている。
「午前11時から午後1時くらいまで、息子から『帰っていい』と声がかかるまでやっていますよ。日曜日は忙しいから、なかなか声がかからない時もある。場所柄、野球のナイターが終わる時間になると結構忙しくなるんで、それに合わせて夕方の6時、7時ぐらいから、お客さんが切れる夜10時ぐらいまで立っていることもあります」
戦時中、東京・浅草に生まれ、終戦を迎えたのは小学校へ上がる頃。中学卒業後に職を転々とし、1960年に赤羽で見習いとしてラーメン屋台を引き始めた。