創業者に特別功労金31億円…パルグループが「井上英隆イズム」を継承するのは容易ではない
税抜き300円の商品が中心の雑貨店「3COINS(スリーコインズ)」や女性衣料ブランドを多数展開するパルグループホールディングスは14日、5月28日に取締役を退任する創業者で元会長の井上英隆相談役(89)に特別功労金31億5800万円を支払うと発表した。支払いに伴う費用は2025年2月期に特別損失として計上する。
井上英隆氏は、1935年奈良県吉野郡下市町生まれ。59年に立命館大学法学部卒業後、父親の洋裁店を継いでテーラーの世界へ。61年にスコッチ洋服店を設立。73年にスコッチ洋服店からカジュアルファッション部門を分離独立させてパルを設立、ジーンズショップの運営に乗り出した。
さらにジーンズが若い女性に定着するとレディースカジュアルショップにも進出。以来、50年以上にわたり経営を担った。
その間、製造小売り(SPA)への転換や4週間MD(マーチャンダイジング)をはじめとする改革、3コインズ事業をはじめとする新規事業への挑戦、ナイスクラップなどのM&A、SNSを駆使したマーケティング戦略への転換などを主導した。