著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

日本軍は徐州、武漢、広東に侵攻し「傀儡政権」を樹立した

公開日: 更新日:
徐州へ北進する歩兵部隊(1938年5月14日)/(C)共同通信社

 トラウトマン工作は、結局は失敗という形になった。トラウトマンはドイツの外交官として、中国事情に最も通じた一人だった。駐華大使になる前は、ドイツ外務省でアジア部門の責任者であった。トラウトマンが、リッベントロップ外相に送った陳立夫の「2つの敵打倒論」は、むろんヒトラーにも報告され…

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