著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

国防省に施設廃止を訴え 米国の婦人団体の圧力で潰された日本の“売春宿”

公開日: 更新日:
8月26日「特殊慰安施設協会」が設立され、進駐軍向け慰安施設の建設が進んだ、進駐軍兵士らでにぎわう東京・銀座のキャバレー=1945年11月(C)共同通信社

 特殊慰安施設とはいうものの実際は売春宿のことである。占領軍が日本に進駐してくる前にすでに開業の準備は整っていた。占領に伴う性犯罪を何よりも恐れていた政治指導者は、この施設で性の発散をしてくれることを望んでいたのである。

 昭和20(1945)年8月の終わりから連合国軍の兵…

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