著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

近衛文麿と吉田茂は上奏文で天皇を揺り動かした

公開日: 更新日:
親任式後の初閣議を終え、記念撮影に収まる第3次近衛内閣閣僚。(前列左から)橋田邦彦文部、近衛文麿首相はじめ、(2列左から)及川古志郎海軍、東条英機陸軍などの姿も(1941=昭和16年=7月18日、首相官邸)/(C)共同通信社

 吉田茂の評伝を平成に入って書こうと机に向かった時に、結局吉田をどう見るかと具体的に検証していくと、2つの柱を立てなければならないと気がつく。近代史では軍人の戦略、政略に反対だということ。そして現代史では戦後民主主義の設計者か、それとも皇国日本の再建者か、の判断をすること。この2…

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