検証「ニッポンの死刑」(中)“異端児”日本に向けられる視線…OECD加盟国で執行を続ける唯一の国

公開日: 更新日:

 日本が死刑制度を維持し、死刑執行を続けていることについて、特に厳しい視線を投げかけているのが欧州の国々だ。日本ではあまり知られていないが、欧州連合(EU)は憲法に当たる基本権憲章で「何人も死刑に処されてはならない」と規定し、死刑廃止が加盟条件となっている。EUを離脱した英国も死刑を廃止しており、欧州で死刑を続けているのは、ルカシェンコ大統領が独裁的な政権統治を続けるベラルーシだけになっている。

 駐日英国大使を務めるジュリア・ロングボトム氏に、死刑制度についての考えを聞いたことがある。外交官として過去に2回の日本勤務を経験し、日本語も堪能で、英国外務省きっての「日本通」として知られるロングボトム氏は、私にはっきりとこう述べた。

「英国と日本は非常に親しい友人であり、多くの価値観を共有しています。しかし、考え方の異なる重要な問題があります。それが死刑制度です」

 日本に死刑があることに英国人の多くは衝撃を受けるとし、死刑を廃止すれば「英国と日本の関係はさらによくなる」と言い切った。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差