胸中複雑…NPBと楽天が日本シリーズ「第7戦」熱望の皮算用
激戦の第5戦を制し、日本シリーズ優勝に王手をかけた楽天。第6戦で先発する田中将大(25)が勝てば球団初となる悲願の日本一を成し遂げる。星野監督やナインは「マー君の投げる第6戦で日本一を決める」と心に誓っているはずだ。
その一方で、シリーズの行方を複雑な思いで見つめているのがNPB(日本野球機構)と楽天の営業担当者だろう。
シリーズを主催するNPBは、第4戦まではかかった経費しか手元には入らない。「第1戦から第4戦までの4試合の入場料収入から共通の経費を控除した額」を日本シリーズに出場した選手に分配しなければならないからだ。
NPBが儲けを得るためには、第5戦からの入場料収入が必要になる。第7戦までもつれた方がカネになる。楽天の本拠地・Kスタ宮城の収容人員は2万5000人程度。約4万5000人の東京ドームに比べ約2万人も少ない。マー君にすんなり勝たれて第6戦で終わってもらっては困るというのが本音なのだ。
楽天の営業担当も同様だ。本拠地の収容人員が少ない分、1試合でも長くやった方が球場の物販、グッズ収入、放映権料は多くなる。1試合あたりで最低でも1億円程度の利益が出るといわれる日本シリーズ。マー君で勝って「4勝2敗」より、もつれて「4勝3敗」、いや巨人に負けて「3勝4敗」でも多大な利益が球団に転がりこむ。
「仮にシリーズが第7戦までいけば、その利益の一部が楽天社員や関係者にボーナスとして支給される、なんていう話も球団内ではチラホラ出ている」とはチーム関係者。
「マー君締め」を願っているのは星野監督と選手、楽天ファンだけだ。