権藤博氏が落合GM査定に「好き嫌いでやっている」と疑問符
要するに、信賞必罰の基準がはっきりしない。落合らしくないと思うのはここである。
■井端と荒木になぜ1億円もの差が出るのか
井端も荒木も中日にはまだまだ必要な選手だ。昨年、中日投手コーチを務めた私は、井端と荒木には本当に助けられた。全盛期に比べて衰えはあるだろうが、それでも2人の守備力は12球団でもトップクラス。打撃の調子が上がらなくても、右打ちで走者を進めたり、ファウルで粘ったりと彼らの経験、存在感は投手と投手コーチにとって非常に頼りになった。将来を考えれば若返りが必要だといっても、現時点では井端の代わりになる若手は見当たらない。
この点に関しては、井端がいるから、出場機会が制限される若手が伸びない、とも言える。世代交代を考える球団、落合GMの狙いはあるいは、ここにあったのかもしれない。だったら、88%ダウンなどという選手のプライドを踏みにじるようなやり方をせず、初めからスパッとクビにした方がよかった。井端も諦めがつくだろうし、ナインにも今後のチームづくりの指針をはっきりと示せたはずである。
監督時代の落合GMはシビアにしてシンプルだった。強くなるには練習しかないと、選手を徹底的に鍛え上げ、負けない中日の土台をつくった。戦力外ではないと言いながら、井端を退団に追い込むようなやり方は、やはり落合らしくない。好き嫌いでやっているように見えてしまう。