手を挙げたのはロッテだけ…FA涌井を待つ“厳しい銭闘”
「こんなはずじゃなかった」が本音だろう。西武からFA宣言して19日、都内のホテルでロッテと初交渉を行う涌井秀章(27)のことである。
今季、5勝(7敗7セーブ)に終わった涌井は、シーズン中には不慣れな中継ぎや抑えを強要された。そんなチームの起用法に嫌気がさしていただけに、親しい間柄の伊東監督率いるロッテが獲得に名乗りを上げたのは「渡りに船」だった。
しかし、獲得に名乗りを上げているのがロッテだけでは、涌井ももろ手を挙げては喜べない。
プロ通算85勝で、今春のWBC日本代表右腕には当初、楽天やオリックス、DeNA、巨人など複数球団が獲得に乗り出すといわれていた。ところが、高年俸(2億2000万円)や過去の素行がネックになったのか、最終的に手を挙げたのはロッテだけ。こうなると、西武に戻りたくない涌井はロッテに「入れてもらう」しかない。交渉もロッテ主導となり、金銭を含めた条件面の大幅アップは厳しい状況だ。
格下の大竹(広島)や中田賢(中日)らがFA戦線で争奪戦を繰り広げられているにもかかわらず、涌井だけは「蚊帳の外」。この悔しさは来シーズンの結果で「倍返し」するしかない!?