巨人「井端獲り」決意の裏にある「坂本」と「松井」の存在
巨人が中日を自由契約となっていた井端弘和(38)の獲得に踏み切ったのは、いくつかの理由がある。
「二塁」が補強ポイントだったとはいえ、井端は10月上旬に右足関節の骨棘(こっきょく)除去と関節内遊離体除去手術、右ヒジ関節形成術および尺骨神経移行術の手術を受けている。上も下も手術明けの38歳が、全盛期の働きができるかは未知数。寺内や中井らと正二塁手を争うというより、他の意味合いが強い。
まずは球団の顔ともいえる正遊撃手・坂本勇人(24)の「守備コーチ」の役割だ。坂本の守備力向上はここ数年、原監督が頭を悩ませてきた事案だった。12年1月、ヤクルトを今季限りで引退した宮本に弟子入りさせたのもそのため。宮本は同一リーグのライバル。異例のことだったが、坂本の守備のため、原監督がひと肌脱いで実現したのだった。
派手なファインプレーが多い一方、イージーミスもしばしば犯す。宮本の堅実な守備を学んで欲しかったからだ。坂本の今季の失策数は11。一時期より減少傾向も、悲願のゴールデングラブ賞は阪神の鳥谷に譲っている。