今年もGG賞逃がした巨人・坂本…来季は“強力ライバル”出現の不運
この日(7日)発表されたゴールデングラブ賞で、巨人からは捕手・阿部、一塁手・ロペス、三塁手・村田、外野手・長野の最多4人が選出された。初受賞の村田は「一度は取りたかった」。一方、ガッカリしているのは遊撃手の坂本勇人(24)だろう。
「ショートを守らせてもらっている以上、一番欲しいのはゴールデングラブ賞」と目標にしてきた。ヤクルトの宮本に弟子入りしたこともある。「守備で認められたい」という思いからだ。
今春のWBCでは日本代表の正遊撃手を務めた。かつてはエラー王だったが、今季は11失策と減少。川相ヘッドコーチは「(坂本)勇人の守備に助けられた試合は多い」と成長ぶりに目を細めていた。それでも、遊撃部門で選ばれたのは4失策の阪神・鳥谷だった。
2年目の19歳で巨人の遊撃に定着して以来、井端(前中日)に3度、鳥谷に2度、梵(広島)に1度阻まれ、まだ一度ももらっていない。
■来年は超難敵出現
悲願の初受賞へ、来季こそはとの思いを強くしているだろうが、甘くはない。来年以降、最大のライバルになりそうなのが、二塁手で初受賞した広島の菊池涼介(23)だ。まだ粗削りで失策数も多いが、ケタ外れの身体能力を生かした超美技も多い。補殺数528でセの二塁手記録を更新し、併殺も115とダントツ。広島の野村監督が「陰のMVP」と評する菊池は来季から本職の遊撃にコンバートされるプランがある。遊撃は守備の要。昨オフに右ヒザを手術した現在の遊撃・梵を二塁へ回し、負担を減らすと同時に「菊池の身体能力は遊撃でこそ生きる。菊池中心の内野をつくれば10年安泰」という野村監督の構想があるのだ。