「24勝は誰でもできる」マー君を“口撃”したダルの腹の中
この結果、田中は、ダルの奪三振を除くタイトルを総ナメにし、沢村賞まで受賞した。
ダルはこのときの悔しさと無念を胸に秘めて海を渡り、メジャーでも結果を出した。
昨季16勝、今季は奪三振(277)のタイトルを取り、リーグで最もすぐれた投手に贈られるサイ・ヤング賞投票で2位に入った。つまり「ア・リーグで2番目の投手」という評価だ。ダルには日本より明らかにレベルの高いメジャーの中でも頂点に位置する投手だという自負がある。
なのに、話題性や注目度に関していえば、いまや田中に水をあけられている。田中は米国で一球も投げていない、自分と同じ土俵にも上がっていないわけで、スポットライトを浴びてニコニコするのはまだまだ先だろうという思いがある。田中に対してはそんなやっかみというか、嫉妬にも似た気持ちを抱くようになった。
同時に、そんな田中を必要以上に騒ぎ立てるマスコミや周囲にも、それは違うだろうと言いたかったに違いない。
ダルが田中をこれでもかと“口撃”した裏にはそれなりの理由がありそうだ。