ソチ五輪ジャンプ メダルの色を左右する若手エースの持病
男女の日の丸飛行隊が編成された。
7日、全日本スキー連盟(SAJ)はジャンプのソチ五輪代表を発表。男子は冬季五輪日本人最多の7大会連続7度目となる葛西紀明(41)、竹内択(26)ら5人が代表入り。女子は昨季のW杯個人総合優勝の高梨沙羅(17)、伊藤有希(19)の2人が選ばれた。
折しも、この日は欧州のジャンプ週間が終了。最終日のW杯オーストリア大会では大ベテランの葛西が5位に入り、総合5位につけた。
ソチ開幕を前に好調を維持する“レジェンド”とは対照的にメダル候補のひとりが振るわない。
今回の遠征に帯同しながら体調不良のため、オーストリア大会を棄権した若手エースの竹内だ。
今季のW杯第6戦のノルウェー大会で2位に入るなど実力をアピールしたものの、開幕後に持病のぜんそくが悪化。練習中はもちろん、跳躍の際に集中力が途切れて飛び出しや踏み切りに失敗するのは珍しくない。ひどい時は満足に眠れないこともあるという。
今年はオリンピックイヤーのため、ドーピング検査に備えて、むやみに市販のぜんそく薬を服用するわけにはいかない。現在は吸入などの対症療法でぜんそくの発作を抑えているとはいえ、症状は悪化するばかりだ。
今季は女子の高梨に引っ張られるように葛西を筆頭に男子も好調。団体では98年長野以来の金メダル獲得は竹内の回復次第だ。
竹内は調整不足のまま、ぶっつけ本番を強いられる可能性もあるだけに、日の丸飛行隊はエースとともに失速しかねない。