「ゴジラフィーバー」を演出する巨人・原監督の“意図”
思えば、初日は二軍の大田(23)と宮国(21)を視察して声をかけた。大田は原監督の高校の後輩。ドラフト1位で背番号「55」を引き継ぐなど、大きな期待を背負ったが、いまだに一軍での実績はなく、鳴かず飛ばずのまま背水の6年目を迎えている。昨季の開幕投手を務めた宮国についても原監督は、「これまでは大事に育てられてきた。自分ではい上がり、登っていく。親離れした獅子という状況で見る」と独特の表現で奮起を促していた。
松井が2日目に打撃投手をやった坂本だってそう。打率.265、12本塁打、54打点に終わった昨季、原監督は「打撃に関しては一番悪いシーズンだった」とバッサリ。同じ遊撃手の井端も補強し、あの手この手で停滞気味の坂本を刺激しようとしている最中だ。
■指揮官のメッセージ
3日目に同じく打撃投手をしてもらった最年長の高橋由(38)にしても、もう一花咲かせて欲しいという考えがある。そして、この日は菅野。言わずと知れた原監督の甥っ子だが、新人だった昨季はチームトップの13勝を挙げて、実力で今季の開幕投手の有力候補に名前が挙がっている。川口投手総合コーチはこの日、「彼(松井)が立ったことでアドレナリンが出た。闘争心を呼び起こすとあんなにいいボールが行くんだから」とゴジラ効果に目を細め、「本当は今村にも立って欲しかったんだけど」と期待の19歳左腕の名前も挙げた。
この日で第1クールが終了。第2クールはその今村か、はたまたFA入団ながら信頼を失いつつある杉内か──。これからゴジラと関わった選手は原監督のメッセージだと思った方がいい。