日欧逆転…高梨の4位に胸なで下ろす国際スキー連盟の思惑
そんな中、初の五輪でドイツ、オーストリア、フランスの選手が高梨独り勝ちの状況を打破したのだ。メダリストを出した国ではもちろん、ヨーロッパでの女子ジャンプの関心も高まる。高梨にとっては気の毒だが、FISにとっては願ってもない展開になったのである。
一方、心配なのは高梨のW杯フィーバーで盛り上がった国内の女子ジャンプのブームだ。もともと日本の女子ジャンプは歴史が浅い。日本選手権で採用されたのは2003年から(男子は1923年)。寒冷地という制限もあり、国内の競技人口は中学生を含めわずか43人に過ぎない。本格的なジャンプ台が設置されている競技場は10カ所程度。FISの公認を得ている競技場はわずか3カ所だけだ。
「ジャンプ台は競技者専用の施設で、競技団体に選手登録をしないと使用することができません。他のスポーツと異なり、気軽にやってみることができない。そのため競技人口が爆発的に増える環境ではないのです」(スキー関係者)
女子ジャンプを巡る状況は、日本とヨーロッパで一変してしまったようである。