手持ち無沙汰で素振り50回…ヤ軍松井臨時コーチの“困惑”
「ヒマなんだけど……」そんなタメ息が今にも聞こえてきそうなキャンプ初日だった。現地時間20日(日本時間21日)。米フロリダ州タンパで始まったヤンキースの全体練習に、臨時コーチとして合流した松井秀喜氏(39)のことだ。
なにしろ本人は、朝からやる気まんまん。田中ら選手よりも早い午前8時前に球場入り。コーチ室の一角で着替えを済ませると、全体ミーティングが終わった午前11時過ぎ、グラウンドに姿を現した。
「ヒッデッキー!」「ゴッジッラー」というファンの歓声に、右手を上げて応える松井コーチ。左手には用具メーカーに特注した新品のノックバットとグラブが握られていたため、打撃投手やノックをする準備は整っていた。
ところが、そんな松井コーチに待っていたのは雑用だった。
午前11時30分過ぎ、サブグラウンドで野手組の本格的な守備練習がスタートしたものの、課せられた仕事はボール拾いとノックを受けた選手からの返球集め。松井コーチは時間を持て余したのかどうか、練習終盤はときおりノックバットを使って素振り。結局約2時間に及ぶ練習中、松井コーチはグラウンド上で左右計50スイング。コーチらしい動きはなかった。球団側には打撃投手やノックができることを伝えていたとはいえ、どうやら首脳陣から「無理はしなくていい」と言われたらしい。