何が恐い? 相撲協会“裏金疑惑”に大手メディアが口をつぐむ理由
自分たちでおかしいとは思わないのか。相撲協会の現職顧問による裏金授受疑惑。6日の理事会で九重親方(58=元横綱千代の富士)が「調査をすべき」と議題に上げたのも当然だ。
相撲協会は税制上の優遇措置を受けている公益法人。その顧問にして北の湖理事長(元横綱)の側近が裏金を受け取ったのだから、ただの不祥事ではない。公益法人としてふさわしくないのは明らかだ。
ところが翌日、これを大きく報じたメディアは日刊ゲンダイ本紙を含めてごくわずか。スポーツ紙は申し訳程度の記事しか掲載せず、ハナから無視を決め込んでいるメディアもあった。そもそも、1月末にネット上に流出した動画では、札束を数える顧問の顔がハッキリ映っているにもかかわらず、だ。
■顧問を敵に回したくない
ある協会関係者は「遠藤を取材できなくなるのが怖いんですよ」とこう言う。
「裏金疑惑の顧問は理事長の側近という立場を利用し、やりたい放題。親方衆も逆らえず、協会をすっかり牛耳っている。裏金問題を大きく報道することは、この顧問を敵に回すことと同じ。彼の逆鱗(げきりん)に触れて協会への出入り禁止などを言い渡されようものなら、新鋭の遠藤が取材できなくなる。遠藤は老若男女に人気のある期待の日本人力士。マスコミには非常においしい存在ですからね。もっとも、顧問が取材禁止をほのめかして脅しているわけではない。スポーツ紙が勝手にビビっているだけです」